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心疾患の病態解析と薬物治療への新たな挑戦

研究室のねらい

虚血性心疾患及び心不全を含む循環器疾患は我が国の主要な死因の1つである。本研究室では,虚血性心疾患とその後に誘発される慢性心不全の病態解析を中心に薬理学,薬物治療学および医薬品開発を目標とした病態薬理学の研究を行っている。

研究室メンバー

教授:田野中 浩一(薬学博士)  日本薬理学会認定 薬理学エデュケーター
講師:丸ノ内 徹郎(薬学博士)  日本薬理学会認定 薬理学エデュケーター
助手:矢野 絵美 (薬学士)  

6 年生:11 名
5 年生:10 名
4 年生:8 名

(令和 4 年 4 月現在)

担当講義

(科目: 学年【前・後期】 /教員名)

薬の効き方Ⅲ:第 3 学年【前期】/田野中浩一 丸ノ内徹郎

薬の効き方Ⅳ:第 3 学年【後期】/田野中浩一 丸ノ内徹郎

医療薬物薬学特論Ⅰ 創薬概論:第 4 学年【前期】/田野中浩一

医療薬物薬学演習Ⅱ 医薬品創製と基礎(生物系・医療薬学系):第 4 学年【前期】/田野中浩一 丸ノ内徹郎

人間と薬学Ⅰ:第 1 学年【前期】/丸ノ内徹郎

応用薬物学:第 4 学年【前期】/田野中浩一 丸ノ内徹郎

病態生理学特論:第 6 学年【前期】/田野中浩一
薬理学実習:第 3 学年【前期】/田野中浩一 丸ノ内徹郎 矢野絵美

研究テーマと概要

1)心筋虚血および慢性心不全の病態生理・病態薬理

 〇虚血心および不全心のエネルギー代謝,細胞内情報伝達系および細胞構築の変化の解析を行うため,
  心筋ミトコンドリア機能,G タンパク情報伝達系やサルコグリカン複合体の変化について検討しています。
 〇慢性心不全治療薬の作用機序の解明を行うため,ARB,ACE 阻害薬および NEP 阻害薬などの上記指標に
  及ぼす効果について解析しています。
  
2)遺伝子改変マウスを用いた心・血管機能の解析

 〇共同研究を行っています。  

3)心筋幹・前駆細胞の特徴及び移植効果の検討

 〇心筋幹・前駆細胞を単離・培養し、その特徴を解析しています。
 〇心筋梗塞ラット・マウスなどに心筋幹・前駆細胞を移植し、その効果を検討しています。

 

最近のトピックス

・アンギオテンシン変換酵素とneutral endopeptidaseのdual inhibitorが心筋梗塞後心不全時の心筋リモデリングを抑制し,かつ心機能を改善することを明らかにしました。

・ミトコンドリア機能の低下が心不全の進展に寄与することを示しました。

・熱ショックタンパク質 (Hsp) 誘導薬が心筋梗塞後の慢性心不全への進展を抑制することを示しました。

・心筋幹・前駆細胞の移植が心筋梗塞後の心機能及びミトコンドリア機能の低下の抑制に寄与することを示しました。