卒業生の声

薬 局
充実した学生生活が患者さんや職場でのコミュニケーションの基礎に

若狭 麻希子 さん

株式会社 八王子薬剤センター薬局
業務部 調剤グループ
若狭 麻希子 さん


 薬局では、処方せん調剤の他に、OTC(一般用医薬品)販売、学生教育、在宅業務などを行っています。私は調剤グループという部署で、主に処方せんによる調剤、服薬指導などの業務を担当。最近では長期実務実習で来る学生さんに対して、調剤業務に関する講義を行ったり、患者さん向けに毎月発行している薬の疑問や健康についての豆知識などを載せた小冊子の執筆も行っています。

 毎日、多くの患者さんに対応し、多種類の薬の説明を行わなければならず、初めは知識が及ばすに戸惑ったり、悩んだりしたこともありましたが、様々な経験を積み、勉強を重ねたことで、現在では患者さんの立場に立って考えることで悩みや疑問を、解決することができるようになりました。上手くいかないこともありますが、患者さんが笑顔を見せてくれた時や、服薬意義を理解してくれた時などは充実感とやりがいを感じます。

 大学時代に学んだ薬理学、病態生理学、薬物治療学などの知識は、現在の私が服薬指導をする上での基礎となっているように思います。また、100人以上が所属しているテニスサークルに入り、テニスも合宿も飲み会も全力で楽しみました。そこでは、大切な友人たちと出会い、一生忘れることのできない大切な思い出もできました。その経験が、患者さんや職場の方々とのコミュニケーションに大いに役に立っていると実感しています。

2008年3月 薬学部卒業
私立筑紫女学園高等学校出身

病 院
大学1年の早期体験実習がきっかけで病院薬剤師を志しました

有賀 ひとみ さん

東京慈恵会医科大学附属 第三病院
薬剤部
有賀 ひとみ さん


 病院の薬剤部で、調剤室業務と病棟業務を担当しています。調剤室では、おもに 入院・外来患者への調剤、服薬指導、補給業務などを行っています。病棟では、持参薬のチェック、服薬指導、注射と内服薬との相互作用のチェックなどを行うほか、チーム医療にも参加しています。

 毎日の業務は大変ですが、患者さんから「目が見えるようになった」と喜びの声を聞いたり、当直中に「ありがとう」と言っていただけたときなどは、この仕事に就いて本当によかったと思います。また、病院薬剤師としてチーム医療に貢献している手ごたえを感じたときもやりがいを感じます。

 大学では先生の熱意ある指導のおかげで、「なぜそのようになるのか」を理解できるまで考える大切さを学びました。それは薬剤師という仕事になくてはならない考え方だと最近つくづく感じています。また、学業面だけでなく就職面でも多大なサポートをしていただきました。大学1年生のとき、早期体験実習で職場見学ができる機会があります。現在勤めている病院を見学したのをきっかけに、病院薬剤師を目指そうと心に決めました。就職活動の際には、模擬面接など親身になって支えていただいたおかげでこの病院に就職することができ、本当に感謝しています。

2009年3月 薬学部卒業
私立恵泉女学園高等学校出身

研 究
6年間培った知識は大きなアドバンテージ

鈴木 雅之 さん

久光製薬株式会社
研究開発本部 TDDS研究所
鈴木 雅之 さん


 TDDS研究所では、DDS(drug deliverysystem)の一つとして経皮(transdermal)からの薬物投与に注目し、経皮製剤(テープ製剤やパップ製剤など)の開発を行っています。おもな業務内容は、薬物を皮膚から透過させ、薬効を発揮するのに必要な血中濃度を達成させるために、最良の経皮製剤処方(配合比、添加物等)を設計することです。

 薬の開発には10年から15年と長い年月がかかるため、実際に携われる薬の数はそれほど多くありません。中には長く関わった薬が突然開発中止になることもあります。薬が世に出て、患者さんに使用されるようになるのはかなり低い確率なのです。だからこそそんな厳しい状況の中で切磋琢磨し、薬を望む患者さんたちのために開発業務に関われることに大きなやりがいを感じています。

 在学中は、テスト前に図書館に缶詰めになって勉強したことを思い出します。そうして6年間培った薬学の知識は、さまざまな学部の出身者が集まる研究職の中で大きなアドバンテージになっています。また、学生時代の友人も大きな財産です。病院などで働いている友人たちと話すことで、どのような薬が望まれているのか、現行薬にはどのような改善が必要かなどを聞くことができ、現在の仕事にとても役に立っています。

2006年3月 薬学部卒業
2008年3月 薬学専攻修士課程修了
神奈川県立横浜翠嵐高等学校出身

M R
東薬で身につけた知識をベースに医療用医薬品の営業をマネジメント

世取山 浩之 さん

第一三共株式会社 医薬営業本部
大阪支店エリア統括第二部堺第二営業所
世取山 浩之 さん


 入社以来、MR(医薬情報担当者)として開業医や大学病院を担当したのち、MRの育成や研修などに携わり、現在は営業所長として営業所のマネジメントをしています。

 MRの主な仕事は、医療機関を訪問して、医師や薬剤師の方に医薬品の効果や安全性についての情報を提供、収集、伝達することにより、自社製品の適正な使用と普及を図ることです。特に医薬品の場合は生命と深い関わりがあるので、正確で速やかな情報提供が重要になります。それだけに、担当の先生から自社の薬剤が患者さんの治療に有効だったという報告を受けたときは、医療に貢献できたという充実感を感じます。また、普段の医薬情報提供活動を通じてMRや自社製品が高い評価を得られたときに嬉しく思います。

 学部時代は、講義、実習、卒論研究などで忙しかった思い出がありますが、薬理学や薬剤学、生化学など医薬品に関する知識を幅広く、専門的に習得したことが現在の仕事の基礎となり、質の高い情報提供をしたり、医師や薬剤師の方と強い信頼関係を築くことができました。

 また、多くの先輩が医療現場で活躍しており、いろいろな場面で同窓生として接することができるのは大きな魅力です。充実した時間をともに過ごした昔の仲間と現在でも交流が続いていることも、大きな財産になっています。

1992年3月 薬学部卒業
東京都立駒場高等学校出身

アカデミア
研究・開発に欠かせない多角的な視点が培われました

江田 栄俊 さん

テネシー大学ノックスビル校
野生生物学部 准教授
江田 栄俊 さん


 私の所属する学部は、野生生物の保護や農林水産業への永続的な利用などを目 的として、その生態や人間生活への影響などを研究しています。その中で私は、野生動物や家畜の感染症の制圧を目指して、感染の早期診断と感染予防法の開発を行っています。

 はじめは研究室内での小さな発見だったものが、感染症の早期診断法の特許や、企業との共同開発に結びつくなど、将来の社会貢献への道筋が見えてきました。努力しただけ進展していく仕事にやりがいを感じます。また、他の研究者たちと国籍や職位の違いを超えて一つの研究テーマに取り組み、新しいものを作り上げていくプロセスはとても楽しいです。将来的には、日本の機関との共同研究を通して母国の科学に少しでも貢献できればと思っています。

 現在、ライフサイエンスの研究において異なる分野の専門家による多角的なアプローチの必要性が高まっており、私も自分の専門とは違う分野の研究者と話し合う があります。そのようなとき、大学時代に広い学術分野の教育を受けられたことがとても役立っています。また、在学当時所属していた ESS(English SpeakingSociety)で英会話に触れた経験は、後にアメリカでの生活を始めるうえで心の支えになりました。

1992年3月 薬学部卒業
1994年3月 薬学専攻修士課程修了
1997年3月 同博士課程修了
埼玉県立浦和西高等学校出身

行 政
よい先生との出会いが行政官としての指針を与えてくれました

黒羽 真吾 さん

防衛省
人事教育局 衛生官付
黒羽 真吾 さん


 現在、厚生労働省から防衛省に出向し、自衛隊の病院や診療所の指導、医療に関す る規定の整備、医療法や薬事法の手続き、医薬品医療機器等の調達や規定の整備などの仕事を行っています。

 規定の整備では、関係者が集まって議論を重ねることで仕組みを具体化していきますが、ときには意見が合わず大声での議論になることもあります。しかし、次第に意見が同じ方向に集約してゆき、最終的に皆が納得して制度が動き出すときなど非常に充実感を覚えます。

 東薬で印象に残っているのは、入学後初めての薬学概論の授業で習った「クスリはリスク」という言葉です。薬は病気を治しますが、人間の体にとっては異物なので、使い方を誤ると逆に悪化を招きかねないという意味です。そのときは、薬が人に害を及ぼすなど思いもしなかったので、衝撃を受けました。「薬は有用ですが、作用が強いものだからこそ慎重な試験や審査が必要です。」この言葉は、仕事を行う上での指針となっています。

 また、クラブ活動で映画の制作や演劇をやったこともいい思い出です。どちらも仲間と長時間にわたる練習を繰り返して1つの作品に仕上げていきますが、この活動を通じて仲間の大切さや団結力を学びました。それが今、大きな財産となっています。

1993年3月 薬学部卒業
埼玉県立春日部高等学校出身

行 政
医薬品などの製造・販売における制度を施行

小笠原 規之さん

神奈川県
保健福祉局生活衛生部薬務課生産指導グループ
グループリーダー 小笠原 規之さん

医薬品などが適正に製造・販売されるのをサポート

――就職先に県庁を選んだ理由は何ですか?
 学生のころ憧れていた先輩が群馬県庁に入られたのを見て、自分も世の中の役に立つ仕事がしたいと思ったことがきっかけです。もちろん新薬を開発したり、薬剤師をするのも世の中の役に立つ仕事ですが、薬が適正に扱われるには、まずきちんとした制度が必要です。その制度づくりに自分の職能が生かせるのではないかと思ったのです。そもそも県庁に薬剤師がいるなんて不思議に思われるかもしれませんが、100名ほどいるんですよ。

――現在の仕事についてお聞かせください。
 私の所属する部署では、おもに医薬品、化粧品、医薬部外品、医療機器の製造販売業に対する許認可や監視指導業務を行っています。というのは、これらのものはみな薬事法という法律で規制されていて、つくったり、売ったり、海外から輸入するのにすべて許可が必要です。そこでそうした業者をきちんとチェックすることで、適正に製造販売されるのをサポートしています。

――これまでに担当した仕事で特に印象に 残っているのはどんなことですか?
 生活衛生課に配属されていた2年前に、「食の安全・安心の確保推進条例」の制定に関わったことです。この条例は食品による人の健康への悪影響を未然に防ぐためのものなんですが、神奈川県では輸入食品の安全性の向上に向けて、食品輸入業者の届け出を義務付けました。それが全国でも先進の事例だったので、非常にやりがいがありました。

東薬なら仕事に必要な幅広い知識が培える

――東京薬科大学(以下東薬)で学んでよかったと思うことは何ですか?
 学習環境は非常に恵まれていたと感じます。例えば、実習の時間に実験機器が空くのを待ったことなど一度もなく、つねにスムーズに進めることができました。当時はそれを当たり前だと思っていましたが、他大学を卒業した人と話をするとうらやましがられ、東薬の実験設備がいかに充実していたか、今になってありがたく思います。また、歴史が古く、多くの先輩を輩出していることも強みです。薬剤師が集まる機会があると、必ずOBやOGの方がいらっしゃるので、同窓生同士で話が盛り上がったり、分かち合えたりと、コミュニケーションが生まれやすいこともよかったと思う点です。

――薬学部を目指す受験生にメッセージをお願いします。
 今の時代、ますます専門能力が求められていると感じます。そこで仮に薬剤師を目指すとしても、どんな薬剤師になりたいのか、ビジョンを持って勉強してほしいですね。東薬はそのプロセスが充実したいい大学だと思います。

1987年3月 薬学部卒業
神奈川県立西湘高等学校出身

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