薬物代謝安全性学教室の研究概要


当教室では、薬毒物・化学物質の代謝、安全性に関する研究を行っています。現在は以下のテーマで研究を進めています。



  1. ソリブジン薬害の原因酵素ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼのクローニングと不活性化のメカニズム

  2. 老化と癌の原因となる生体内活性酸素に対する防御機構

  3. 発癌物質を活性化するスルホトランスフェラーゼのクローニングとタンパク質工学

  4. 薬物を抱合するUDP−グルクロノシルトランスフェラーゼのクローニングとタンパク質工学

  5. 発癌物質と活性酸素に対する生体内防御因子としてのグルタチオン-トランスフェラーゼのクローニングと機能


環境発癌物質5-MCRの生体内代謝的活性化ならびに不活性化機構

環境発癌物質5-MCRはチトクロームP-450/スルホトランスフェラーゼ(ST)により代謝的に活性化され、DNAなどの生体高分子と共有結合を形成する。活性代謝物5-HCR sulfateは当教室において発見、クローニングされたグルタチオン-トランスフェラーゼGST Yrs-Yrsによりすみやかに不活性化される。



抗ウイルス薬ソリブジン(SRV)より生成する代謝物5-(2-ブロモビニル)ウラシル (BVU)によるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)の不活性化機構

SRVから生成する代謝物BVUは抗癌剤5-FUの代謝律速酵素であるDPDを不可逆的に阻害してしまうために、SRVと5-FUを同時に服用すると5-FUの代謝がストップしてしまい、5-FUの生体内濃度が異常に上昇してしまうために、5-FUの副作用である骨髄や消化管の機能障害が発現し、死に至る場合がある。


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