News
情報教育研究センターは薬学部と生命科学部の両学部横断的な情報通信技術(ICT)教育と、研究を行う全学組織です。こうした教育と研究に加えて、本学情報ネットワーク(TYCOON)のICT基盤改善に関する企画立案、整備、管理及び運用を行うこと、2)高度かつ安全な学内のICT環境の構築を行い、提供することを任務としています。
TYCOONの管理・運営等に関し、必要な事項はユーザ会議の審議を経て、情報教育研究センターが定めています。
本学情報ネットワークはTYCOON(ToYaku COmputer Open Network)と呼ばれています。平成7年に誕生したTYCOONは、教育棟や研究棟、体育館、学生会館など本学キャンパス内でのインンターネット接続のための情報インフラを提供し、その上で電子メールなどの基本的なサービス、各種の学習支援サービスを提供しています。東京薬科大学では、TYCOONを通じて、電子メール、WebClassやCodexなどの学習支援システム、東薬学生ポータルなどの情報サービスを提供しています。
TYCOONの利用は「東京薬科大学情報ネットワーク利用規程」に従っていただきます。本利用規程は本学学生サポートセンターが発行する「CAMPUS LIFE -学生生活の手引き-」に全文が掲載されています。
TYCOONの公開する各種サービスについては情報教育研究センターTYCOONBOOKをご覧ください(http://www-network.toyaku.ac.jp/wp/about/)。
当センターの薬学部所属教員は,長期にわたる外来薬物治療に対するアドヒアランス改善に向けた薬剤師による介入方法の提案や保険薬局業務の改善を目的として,保険薬局における調剤歴・薬剤服用歴を資源とする調査研究,医療情報システムの開発を行っています。
1)地域住民の外来薬物治療に関する受療行動に関する研究:処方せんを発行する医療施設とこれを応需する薬局の位置情報をGIS技術によりマップ化するシステムを導入し、薬局の面分業の状況、患者の受診行動パターンおよびの地域の医療資源の充足状況の解析を行っている。
2)外来薬物治療における適正使用に関する解析:吸入器などの外用薬の容器に視認性の高い二次元バーコード(LogoQR)を直接貼付し、使用方法を解説した動画サイトを用いた服薬指導の適正化などの取り組みに協力している。
薬樹株式会社、一般社団法人ソーシャルユニバーシティとの共同研究により、処方日数の長期化の動向やハイリスク薬の使用動向、受療行動パターンにより生み出される残薬の発生予測に関する調査を行っている。また、認知症患者における処方カスケードの発生や抗コリン薬の重複に関する実態調査を行っている。
3)EBM教育の普及に関する研究:EBM(根拠に基づく医療)の実践とその教育の重要性が高まっている。主に薬局薬剤師のEBMの実践をサポートするための継続的なEBM教育プログラムを開発し、各地で研修会を行っている。また、本学においても、他大学と共同開発したTBL&PBLハイブリッド型教育法による教育実践を行っている。
4) 量子化学計算および分子動力学法と機械学習を融合させた物質探索手法の開発:AIによる物質探索手法(SPACIER)の開発を行っている。SPACIERとは、実験計画法に基づいた量子化学計算と機械学習を組み合わせた物質探索アルゴリズムである。世の中には高分子(ポリマー)を含む有機分子のデータベースはいくつか存在するが、機械学習を行うために十分なデータは揃っていない。これを解決するため、シミュレーションを用いたデータベースの作成も行なっている。
5)数理科学・物理学の視点からコンピュータを使って生命現象を探究する:個体、細胞、生体分子の形状とその運動に関する生命現象について、数理科学と情報科学、物理学との視点から、コンピュータ・シミュレーションの手法を用いて研究を行っている。そして、「生命とは何か?」という根源的な問いに迫るため、情報学の考え方も取り入れつつ研究を掘り下げている。また、これらの研究を通し、データサイエンス教育につなげている。
6)ICTの利活用に関する研究:学内におけるICTシステムの有効活用のため、新入生や学内構成員に対するICT利用状況調査の実施と、新規ICT関連技術に関する情報収集などを行っている。
2022年度
2021年度
2020年度
1) 液体クロマトグラフィーやミセル動電クロマトグラフィーを用いて対掌体を直接光学分割する。
2) 温度感応性ポリマーにより有機化合物の分離や医薬品の放出コントロールを達成する。
3) 3次元網目構造ポリマーに分子の形を記憶させ,固定相や薄膜透過で分子形状や対掌性を認識させる(モレキュラーインプリンティング)。
4) コンピュータを用いて医薬品の類似性と薬効や副作用の関連性をクラスター分析する。5)ヘルスリテラシー(HL)に関する研究:米国でのHL測定ツールであるTOFHLAを援用し、薬局店頭でのトリアージを円滑に行うために必要な患者HL測定ツールの開発を行っている。また、医薬品を中心とする「くすり」の使用に関する理解や信念と行動に関する調査を行い、多変量解析による行動予測モデルの作成を行う。
6)諸外国の共同薬物治療管理(CDTM)業務に関する調査研究:高度化する医療に対応するためにチーム医療の推進が検討されている.独立的な処方権あるいは医師との契約に基づく補助的な処方権を有する薬剤師が世界には存在している.こうした薬剤師業務のありかたを視察や書籍により調査するとともに,書籍の翻訳などを行っている.また各国の薬局薬剤師による臨床研究についてMEDLINEを利用した書誌学的検討および言語解析手法による検討を行う。
7)医療情報システムの開発に関する研究:薬剤師職能団体と連携し、現場のニーズに即したインターフェースを有する添付文書情報検索システム、後発医薬品選択支援システム、アンチドーピング支援システム、ハイリスク医薬品情報システムなどの開発と維持を行う(http://www.drc.toyaku.ac.jp/)。