卒業論文関連

2011年度卒業論文関連

卒業論文研究テーマと概要

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卒業論文研究テーマ

「小・中・高等学校における薬教育」に関する調査研究
                            氏名:内田 真実
1)       調査研究概要
 食生活の変化や近代社会のストレスが関与するといわれている生活習慣病やアレルギー性の疾患が増加し、現代社会では“自分自身で健康の保持増進や疾病の予防に努める”ことが求められている。ここにセルフメディケーションの重要性が高まっている背景がある。そしてより良いセルフメディケーションの実現のためには、一般市民と薬剤師双方の努力が必要になる。そのためには薬剤師が薬教育に積極的に参画することが重要である。
 学習指導要領の改定により、中学校では「医薬品は正しく使用すること」、高等学校では「医薬品は、有効性や安全性が審査されており、販売には制限があること。疾病からの回復や悪化の防止には、医薬品を正しく使用することが有効であること」が加えられた。学校保健安全法においては学校薬剤師の職務執行の準則において学校薬剤師の役割を示し、学校薬剤師が積極的に役割を果たすことで薬教育の充実に寄与する。
 薬学教育推進センターが共同で行っている全国の薬剤師会におけるくすり教育の内容は、「くすりの正しい飲み方」、「タバコ」、「薬物乱用」などがあり、実験を交えて授業を行うことで小・中学生にも理解しやすいような工夫をしている。小平市のくすり教育のアンケート結果からも、大半の生徒が授業への高評価をしており、今後ますます薬教育が推進されていくことが望まれる。
 
 参考文献
1、心とからだの健康vol.14 No.153   建学社
2、健 第452、453号   株式会社日本学校保健研修社
3、文部科学省hp http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
4、くすりの適正使用協議会hp http://www.rad-are.com/
5、日本製薬工業協会hp http://www.rad-are.com/

便秘におけるOTC医薬品選択に関する調査研究
                                                    氏名:小川友見子
1)調査研究概要
 便秘において、適切にOTC薬を選択し提案出来るための能力をつけるために、「症例」を自ら作成した。その症例に対してどのように考えを進め、患者さんに最も適したOTC薬を選択すれば良いのかについて症例などを用いて調査した。
 今回私は対応の流れとして、①受診勧奨か?OTC薬対応か?②便秘の種類③OTC薬の選択、というように大まかに3つの段階に分けて考えた。
①  受診勧奨か?OTC薬対応か?
 受診勧奨が考えられる疾患として、大腸がん・イレウス・腸管閉塞・腸管癒着などが代表的なものとして挙げられる。このような疾患の場合、血便・激しい腹痛・嘔吐・急性の便秘・便が細いなどの症状がみられることが多いので、以上のことを確認する必要がある。
②  便秘の種類
 OTC薬で対応できる便秘の種類としては、弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘がある。弛緩性便秘は最も頻度の高い便秘であり、女性や高齢者に多いとされている。痙攣性便秘はウサギのようにコロコロした便、排便後に下腹部痛、下痢の症状がみられ、直腸性便秘は便意を感じにくい、排便を我慢する習慣があるといった特徴がある。以上の代表的な特徴を把握し、患者さんがどの症状に近いかについて問診し、判断する。
③  OTC薬の選択
 OTCの便秘薬のポイントとしては、ほとんどのOTC薬に刺激性下剤成分が含まれているということ、また刺激性下剤成分は連用によって耐性が生じてしまうということである。なので、刺激性下剤成分が禁忌な痙攣性便秘の場合注意が必要である。また、ピコスルファートNaは刺激性下剤成分であるが連用しても耐性が生じにくいということが特徴である。
 
 便秘について研究し、知識を深めることにより、様々な症例をもつ患者さんに対応できる能力を身につける練習が出来た。
 
参考文献
1.今日のOTC薬-解説と便覧-
 出版社:南江堂 編集:中島恵美/伊東明彦 発行年月日:2009年3月
2.OTC薬ガイドブック 第2版
 出版社:株式会社じほう 監修 堀美智子 発行年月日:2009年9月

 頭痛に関する調査研究
                        氏名:織茂由佳子
1) 調査研究概要
頭痛患者の症例を作成するためと、症例学習システムの有用性を評価するため、私は頭痛について研究した。
①頭痛の種類について
・慢性 痛みが繰り返し起こる頭痛(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など)
・一過性 あまり心配のない日常的な頭痛(かき氷、二日酔い、寒さ、緊張や月経など)
・病気 脳疾患や全身の病気による頭痛(脳腫瘍、クモ膜下出血、高血圧緊張症など)
②頭痛の特徴について
・一次性頭痛(機能性頭痛);片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛 
頭痛の原因・病変となる疾患はない⇒良性
→治療目標は頭痛改善(対症療法)となる
・二次性頭痛;脳腫瘍、クモ膜下出血、髄膜炎、側頭動脈炎、副鼻腔炎、脳梗塞、脳腫瘍など
頭痛は病変・疾患が原因で発生⇒受診勧奨
★片頭痛→ズキン、ズキン脈とともに痛む
★緊張型頭痛→肩コリと、ギューッとしめつけられる痛み
★群発頭痛→強烈な痛みがある期間、毎日同じ時間に
 
頭痛について研究し、知識を深めることにより、その知識を症例学習システムの評価に活かしたり、症状評価表の作成に役立てられた。また、自らの症例作成により、様々な症例を持つ患者さんに対応可能な能力を身につけることができた。
 
参考文献
1. OTC医薬品の基礎知識第2版 出版社:じほう
2. OTC薬ガイドブック 出版社:じほう
3. 今日のOTC薬~解説と便覧~ 出版社:南江堂