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テーラーメイド薬物治療へのアプローチ

研究室のねらい

テーラーメイド(オーダーメイド)医療を目指し、ヒトを対象とする薬物代謝・体内動態研究を行っている。本研究室で開発された薬物代謝酵素フェノタイピングや遺伝子解析により、患者個々の薬物動態を予測し薬物治療の個別化に応用する。使用する高精度質量分析法/安定同位体トレーサー法は最高水準の技術であり、本研究室で開発されたものである。

研究室メンバー

lab01_02.jpg(役職:氏名 / 学位)
准教授: 柴崎浩美(博士(薬学))
助教: 横川彰朋(博士(薬学))
大学院博士課程:1名
6年生12名
5年生:18名
4年生:11名
(平成29年4月現在)

担当講義

(科目: 学年【前・後期】 /教員名)
人間と薬学I : 第1学年【前期】 / 柴崎浩美、横川彰朋 他
個別化医療I: 第3学年【後期】 / 柴崎浩美、横川彰朋
医療薬学演習I-ii : 第4学年【前期】 / 柴崎浩美、横川彰朋 他
総合創薬演習: 第4学年【前期】 / 柴崎浩美、横川彰朋
医薬品開発と臨床試験: 第4学年【前期】 / 柴崎浩美 他
事前実務実習 : 第4学年【前期】/ 柴崎浩美、横川彰朋 他
ゼミナール: 第2学年【後期】 / 柴崎浩美 他
総合薬・疾病演習: 第4学年【後期】 / 横川彰朋 他 
4P80演習: 第5学年 / 柴崎浩美 他
アドバンス演習: 第6学年【後期】 / 柴崎浩美、横川彰朋 他
臨床分析化学特論: 大学院 / 柴崎浩美、横川彰朋 他 
薬品分析化学特論: 大学院 / 柴崎浩美、横川彰朋 他

科別英語特論: 第4学年 / 柴崎浩美、横川彰朋 他
アドバンス英語: 第5学年 / 柴崎浩美、横川彰朋 他
医療薬学演習II-i: 第5,6学年 / 柴崎浩美、横川彰朋 他

研究テーマと概要

1) 薬物代謝酵素フェノタイピングの開発と薬物動態の予測:

ヒト in vivo におけるCYP3A、CYP1A2、CYP2A6 活性の定量的評価法(フェノタイピング)を開発し、a) in vivo 酵素誘導・阻害作用の定量的評価、b) タイピングに基づく抗がん剤化学療法における処方設計個別化の確立に応用している。

2) 薬物代謝酵素フェノタイピングの性差医学・性差医療への応用:

a)フェノタイピングに基づく閉経前及び閉経後の女性における薬物動態
b)月経周期における in vivo P450 酵素誘導
c)経口避妊薬による薬物動態の変動予測。

3) ステロイド代謝酵素の遺伝的多型性と疾患:

ヒトin vivoにおけるステロイド代謝タイピングを開発し、内分泌代謝異常と腎性高血圧症、乳がんの発症機構との関連性について解明している。

4) 新規の高精度質量分析/安定同位体トレーサー技術の開発:

副腎皮質ステロイドホルモン、性ステロイドホルモンや合成ステロイド剤の安定同位体標識体合成法の開発と高精度質量分析法の開発。

主な研究業績(過去3年間)

1) Use of endogenous cortisol 6β-hydroxylation clearance for phenotyping in vivo CYP3A activity in women after sequential administration of an oral contraceptive (OC) containing ethinylestradiol and levonorgestrel as weak CYP3A inhibitors
Hiromi Shibasaki, Miyuki Kuroiwa, Shinobu Uchikura, Sayuri Tsuboyama, Akitomo Yokokawa, Miyoko Kume, Takashi Furuta, Steroids, 87, 137–144 (2014) 

2) Individual Variation in the Metabolism and Disposition of Isoflavone Conjugated Metabolites in Japanese.
Kaori Hosoda, Hiromi Shibasaki, Akitomo Yokokawa, Takashi Furuta, and Kazuo Ishii, Jpn. J. Food Chem. Safety20, 153-160 (2013)

3) Intraindividual and Interindividual Variabilities in Endogenous Cortisol 6β-Hydroxylation Clearance as an Index for in vivo CYP3A Phenotyping in Humans
Hiromi Shibasaki, Kaori Hosoda, Mari Goto, Atsushi Suzuki, Akitomo Yokokawa, Kazuo Ishii, and Takashi Furuta, Droug Metab. Dispos41, 475-479 (2013) 

4) The effect of water loading on the urinary ratio of cortisone to cortisol in healthy subjects and a new approach to the evaluation of the ratio as an index for in vivo human 11β-hydroxysteroid dehydrogenase 2 activity
Akitomo Yokokawa, Toru Takasaka, Hiromi Shibasaki, Yasuji Kasuya, Soko Kawashima, Akira Yamada, and Takashi Furuta, Steroids77, 1291–1297 (2012) 

5) Separation and Quantitative Determination of 6α-hydroxycortisol and 6β-hydroxycortisol in Human Urine by High-performance Liquid Chromatography with Ultraviolet Absorption Detection
Hiromi Shibasaki, Sawako Okamoto, Risako Inoue, Misato Okita, Akitomo Yokokawa, and Takashi Furuta, Anal. Bioanal. Chem., 402, 2945-2952 (2012)

6) Metabolism and Disposition of Isoflavone Conjugated Metabolites in Humans After Ingestion of Kinako
Kaori Hosoda, Takashi Furuta, and Kazuo Ishii, Drug. Metab. Dispos.39, 1762-7 (2011)

最近のトピックス

健常女性の月経周期おいて規則性のある CYP3A 酵素活性上昇を見出し、性差医学・性差医療において極めて重要な知見を提供した。

遺伝子多型から評価できないヒト CYP3A4、CYP1A2、CYP2A6 の同時フェノタイピング(薬物代謝酵素活性の定量的評価)を開発した。

タキサン系抗がん剤の定量法を開発した。

ヒト in vivo におけるコルチゾール代謝酵素(11β-HSD type 2)活性評価法を確立した。