卒業論文関連

2011~2012年度卒業論文関連

卒論配属GUIDEBOOK pdfはこちらから>>

卒業論文研究テーマと概要

研究室の方針

当研究室では,「天然物由来生理活性物質に関する研究」をテーマに研究を行っているが,主目的は天然界から有望な抗がん活性物質を見つけ出すことである。

1)  抗腫瘍活性評価スクリーニングおよび抗腫瘍性天然物の探索研究:がん培養細胞を用いた活性試験評価法を中心に国内のみならず,世界各地より収集した植物について抽出エキスを調製して活性評価を実施し,抗腫瘍活性を有する植物の探索研究を行っている。収集植物の選択に当たっては,植物分類・分布・化学的,民族学的情報などに関する図書・文献などの検索・収集・考察などの調査研究に基づいて行っている。

2)  天然物からの生理活性物質の単離・構造決定に関する研究:上記抗腫瘍活性評価スクリーニングで活性が見出された植物については,活性評価を指標に抽出エキスを分画化し,各種クロマト操作方法を組合せて活性成分の分離を行っている。単離化合物は最新のNMR, Mass, IR, UV, X-線解析などの分析手法や構造変換情報を通して,その化学構造の詳細を明らかにしている。

3)  抗腫瘍性環状ペプチドの各種デザイン合成と構造活性相関研究:当研究室で見出した抗腫瘍活性環状ペプチドRA類をシード化合物として活性発現構造部位解明を意図したペプチド鎖バックボーン変換を含めた各種アナログ合成を行っているが,これらの研究過程において新規なペプチド合成・変換反応の開発研究も併せて行っている。また,関連環状ペプチド類の全合成研究,コンピュータを利用した計算化学的手法によるペプチド類のコンホメ-ション解析,構造活性相関,高次構造のシミュレ-ション研究なども行っている。

4)  生理活性天然物の構造変換とそれらアナログの構造活性相関研究:天然物から多種・多様な化学構造を有する化合物が単離・構造決定されているが,医薬品開発シーズ化合物として医薬品までに開発されたものはごく一部である。そこで,天然から多量に得られる既存の抗腫瘍性ジテルペンを中心に構造変換とそれらのアナログ合成を行い,構造活性相関的基礎データを構築してゆき,臨床での応用に耐えうる医薬品の創製を目指している。

卒業論文研究テーマ

平成 23 年度 天然医薬品化学教室 卒業論文発表会

日時; 平成 23年 9月 17日 (土) 午前 10時~午後 14時 45分   
場所; 5206 講義室
発表時間; 15分 (発表時間 10分, 質疑応答 5分)

発表時間 学籍番号 発表者名 演題
10:00-10:15 064092 近藤 春菜 Salvia leucantha より得られる新規ジテルペン類の構造研究
10:15-10:30 064192 松田 尚子 タチビャクブより得られる新規アルカロイドに関する研究
10:30-10:45 064177 藤川 尚子 ニシキギ科植物 (Euonymus lutchuensis) の根からの新規化合物の探索
11:00-11:15 064117 菅原 直子 マキ属及びシソ科植物由来ジテルペンの化学修飾による医薬品シーズの創製研究
11:15-11:30 061209 森重 卓也 メタスチンをキャリアーとする腎細胞癌への標的指向化に関する研究
11:30-11:45 061026 伊藤 翔 茜草根由来抗腫瘍活性環状ペプチド RA-Ⅶ アナログのデザインと合成に関する研究
13:00-13:15 064197 三倉 麻実 茜草根より得られた新規環状ペプチド化合物の構造証明に関する研究
13:15-13:30 064067 北村 理恵 茜草根より得られた新規環状ヘキサペプチドの構造研究
13:30-13:45 061106 杉山 雄大 漢薬テンモンドウの基原、化学成分、薬理、漢方応用について
14:00-14:15 061101 下園 啓介 漢薬ジオウの基原、化学成分、薬理、漢方応用について
14:15-14:30 064194 松本 真理子 医療用医薬品 Noscapine の X線構造解析
14:30-14:45 064058 金子 舞 医療用医薬品 Clemastine fumarate の X線構造解析